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本日の読書

坂田千鶴子:月母神キサカヒヒメと射日神話―消されたオオナムチの系譜.国文学:解釈と教材の研究,52(3),2007.3.10,pp.65-76

最近受けた参考質問で検索をかけたところ,この論文がヒットしたので個人的に読んでみた次第であります.問い合わせは招日神話の方だったのですが,射日神話と招日神話はワンセットで,ということをこの間紹介した

萩原秀三郎:稲と鳥と太陽の道.1996.7.1.東京.大修館書店

で言っておられたので,こっちの検索キーでもいいよなぁと考えてちょろちょろ検索かけたのです.個人的に興味のある題材だったし,ちょうどスグに読める環境にありましたので,11ページくらいなら休み時間使えば読めるなぁと.

短い中にも色々興味をそそる内容でしたね.アマテラス・ツクヨミ・スサノオの関係構図については何冊か本を読んでいますが,切り口によって色々な解釈の仕方がありますし,視点が違うというだけでどれも間違いとは言いがたい,のか? という印象です.
今回は縄文人の神を月神だと想定すると,弥生人の(大和朝廷の?)神はその神を打ち破る日神でなくてはならない.けれど征服する側としては,反発をなるべく抑えたくて,古い神を排除するよりはそれを取り入れた方がいいというのはどの国でも行ってきたことです.
だから大和朝廷も月女神アマテラスを日神アマテラスへシフトさせ,空いた月神にツクヨミを当てた.するとツクヨミの存在が記紀神話で薄いのも当然だし,日神が女神なのも,元々の月神が女神だったのだから頷けることだ.そういう見方のようです.実際縄文土器に月神としての女神が描かれたものがあるようですし.(ここら辺は胸のあたりで女神であることは分かりましたが,どうして月神と判断するのか,写真だけではわかりませんでした.あれ,ちゃんと理由も書いてあったっけ? 流し読みしていることが丸分かりですね!).でもこれで一応三貴神のうち,ツクヨミの影だけが薄い理由も説明できているようないないような? 
射日神話に関連したところでは,太陽を射る弓を月(三日月)として,『月 対 太陽』と見るようです.十個の太陽を射るゲイは月神だというんですね.実際ゲイと月は関連がありますから.妻の嫦娥(ジョウガ)が月に昇っていますからね.(彼女は元が月神だったのでしょうか? それともこのエピソードがあるゆえに月神なんでしょうか.神といっても蛙になってしまったわけですが)
ところでキサカヒヒメが誰かというと,オオナムチ(大国主命)が兄さんたちに意地悪されて,焼け死んだ時に赤貝と蛤の姉妹女神が助けてくれるというエピソードがありましたね.その赤貝さんの方です.このオオナムチが死んで生き返るというエピソードも月の満ち欠けを象徴して,オオナムチ=月神だというんですね.だから国譲りは太陽が月を制する話.
あれ? 射日の神事は「太陽を(一旦)殺して新しい太陽を蘇らせる」太陽信仰として残っているんですよね.でもこの話でいくと「月(弓)で太陽を射殺す」ことになるわけで.「弓で太陽を殺して月を蘇らせる」ことを願う月信仰の神事なのかな? あ,いかん.混乱してきた.飛ばし読みしたものを深く考えるってやっぱり無理がある.
ところで読んでいて思わず「ニヤリ」としてしまったのが,出雲大社の社殿の向きの話.高田崇史氏のQEDシリーズで社殿の向きに言及していたのは諏訪とか熊野だったように思いますが(手元にはないので確認もおぼつかない……そのうちシリーズ大人買いしたい),この論文によると出雲大社が西向きなのは太陽が沈む(太陽を殺す?)方角だからとか.あぁ,そういう考え方もあるかぁ,と.

趣味全開の話題でスミマセン.引用とかしておきながらそんな真面目に読み込んでいるわけではないので,勘違い等あるかと思います.興味ある方は原文を読んでくださいね!(読書日記全般に言えることですが)

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