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ここはゴミ箱です
本日の一冊

ミシェル・ド・セルトー,矢橋透訳:ルーダンの憑依,2008.6.20,初版,東京,みすず書房

先日の「尼僧ヨアンナ」の話のモデルとなったというルーダンの修道院での悪魔祓いの話.それを歴史的な資料から,できるだけ時間軸に沿って追っていこうという本でした.しかし読み辛いため流し読みとも言い難い(三段くらい)飛ばし読みです.

興味のあるところは太字で書かれた当時の資料の訳文.ヨアンナのモデルとなった尼僧院長ジャンヌ・デ・サンジュは勿論,魔法使いとして火刑されるに至ったユルバン・グランディエ,そしてジャンヌの悪魔を自らのうちに引き込んだシュラン神父が書いた書簡などを読むことができました.「尼僧ヨアンナ」でのグランディエの存在は希薄なものでしたが,この本ではグランディエの裁判について詳しく(資料が多かったせいか)経過を追おうとしていました.本人の書簡については,一貫して尼僧達への関わりを否定しているようですね.

憑依とは,とかそれが存在するのかしないのかという議論は置いておいて,単純に本書の中で共感した部分が,「悪魔の言うことは信じられない」というか信じてはいけない,聞いてはいけないというのに,何故「悪魔に告発された」グランディエは火刑となったのか,という.いや,他の魔女狩りとかでも同じなのかもしれないですけど.つまり常に嘘を言う嘘つきが「グランディエとの契約だ」と言ったなら,グランディエは潔白だったのでは? それとも悪魔祓いの過程で「神に命ぜられた」ことであれば悪魔も嘘はつけないのか? そこらへん捩じれているんじゃあないかなというのは著者と同意見.

そして最後の凱旋を思うと,ジャンヌ確信犯説が……女は,コワイ生き物ですよ? まぁ,資料に残っていると言っても真実とは限らないのですから事の真相は闇の中でしょうが.創作心はくすぐられる話ですよね,不謹慎ながら.

あと上記に直接関係はないのですが,確か以前現代で二十代半ばの司祭は珍しいのでは? と書いた(ユ/リエルとグレ/ンに関連して)のような気がするのですが,本書を読むと二十で司祭職というのもあり得るようなので,やはり時代ですね.貴族の三男とか,ひょいひょい司祭になっていた頃もあるんでしょうから.
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