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本日の一冊

岡田温司:デスマスク,2011.11.18,第1刷,東京,岩波書店

某黄金の蟹さんではありません.著者名を見て知った名前だなと思ったのは過去にもこの方の著書を読んでいたからでした.http://agnus.blog.shinobi.jp/Entry/17/

今回は死の顔を残すデスマスクについてのお話.図版も入っていますので,苦手な方は注意.というか,苦手ならタイトルで読まないか……失礼.冒頭から,確かになぁと納得したのが,自分の死に顔なんて自分では見れないので,じゃあ何で残すのかってそれは自分のためじゃなくて(死後の名声とか関係あるならまだしも),生きている側のためというか,生きている側の都合なんだなぁと.

聖と俗,生と死,綺麗と醜いは相反するようでいてとても近くて,魅かれるし嫌悪されるし.デスマスクという形は死の聖性を表しているようでもあるし,逆に本来それの元となった肉体は腐敗していくから,生きるということの俗っぽさというか,聖になりきれない部分を表しているようです.死んだ側にとっては,自分から切り取られた”死に顔”が一人歩きするのはなんだか恐ろしいけれど,生きている側にとっては”生きていれば絶対に踏み込めない境地”として神聖視してしまいたくなるのでしょうか.

最後の「名もなきセーヌの娘」は面白かった.水死体なら,すぐに引き上げられない限りこんな綺麗な顔では取れないのではないかと思いますが,ライフマスク説もあるようですね.オフィーリア・コンプレックスという言葉も出来てしまうくらい,水と女の関係は西洋も東洋も変わらないのかと思った次第.

セーヌ川の身元不明少女はウィキにも出ています.

昨日「パンズラビリンス」を借りて観ました.あの造形のグロテスクさと妖精の国の美しさは何となく今回読んだデスマスクに通じるものがあるような気がしました.チョークで扉作ったりってところはこの間の「ホームズ探偵団と秘密のサーカス」と同じなのに,少女の死に顔から始まったり,パンが怖かったり,それより「その目玉は手に入れんのかよ!」ってきもかったり,とってもダークなお話でした.
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本日の一冊

フェルディナンド・プロッツマン著,関利枝子他訳:地球のハローワーク,2009.6.1,第1版第1刷,東京,日経ナショナルジオグラフィック社

間が空きましたがお仕事本のくくりかな.ナショナルジオグラフィックの写真は,表紙からしてインパクトあります.海に棒を立ててその上で棒に腰掛けながら釣りしている人達.この海,どのくらい深さのところで釣っているのでしょうか.棒が既に斜めになっているように見えるんですが,倒れないんでしょうか?

日常生活を送るということが,既に日常的に”仕事”をしているということになるんですよね.でも日常生活を送れない場所にだって,”仕事”(と言っていいのか抵抗はあっても)があるわけで.電池の解体とか,銃の組み立てとかを子どもがやっているような写真もあります.子どもは”遊んでいればいい”って,どこもそうなればいいのに,でも日本だってそうじゃないんだからな…….
本日の一冊

小路幸也著:話虫干,2012.6.10,初版第1刷,東京,筑摩書房

話を改変してしまうという話虫を,「虫干」するために本の中の世界に入るという「話虫干」の作業.それを行う図書館員,という設定はとても面白いと思いました.

改変されてしまったのは夏目漱石の「こゝろ」.図書館員は「こゝろ」の登場人物に混じって物語の中に入り,その中にいるはずの「話虫」を見つけて殺す.そうすれが「虫干」が完了するわけなのですが,登場人物達の友人として入り込んだことから,彼らと付き合ううちに……というお話.

うーん,設定は面白いのにな…….ハーンやホームズまで出てきちゃうのにな…….何だっけ,こういうネタが確か他にもあったような気がするわけですよ.あれ,ここでホームズ出てきちゃうんだっていうの.むむむ,最後が無難に終わってしまったがために,なんとなく消化不良.

本日の一冊

山室静編著:新編世界むかし話集7;インド・中近東編,1977.3.30,初版第1刷,東京,社会思想社

台風凄かったです.でも通り過ぎると晴れ間も覗いて,ちょっとぽかーんとなりましたね.うちの地域は避難準備とか出ませんでしたが,他の地域では色々被害も出ているようで,次の台風もきているし心配です.

さて,インドのお話ではやはり釈迦の出てくるお話がありまして,トラに身を差し出すお話でしたね.それ以外のもちょっと教訓的なお話が多かったように思います.「サヴィトリ姫と死神」は姫の健気さに折れてしまう死神がかわいかったです.

アラビアの「ダマスクスの商人カシムの話」は若者に扮した女性の行動力が凄すぎて拍手ものでしたね.トルコの「笑いリンゴ泣きリンゴ」はリンゴにもっと活躍の場が欲しかった…….
イスラエルの「けちんぼの金持ちと恵み深い靴屋」は教訓的ですが説教臭くなくて,ぐっと考えさせられる話.まとまりも良くて秀逸だと思いました.
本日の一冊

山室静編著:新編世界むかし話集5;東欧・古代編,1977.3.15,初版第1刷,東京,社会思想社

南欧に続いて,東欧もフランスとかドイツとかと違って,お話が素朴で,そして時折ピリッとくるスパイスが効いている感じがしました.お話の終わり方が,結婚式や宴会で終わるものは,話し手が「自分はその宴から帰ってきたところなので(本当のお話なんですよ)」という終わり方をしたり「そんな宴があったのに、自分はなにももらえなかった」という終わり方をするものが多いように思いますが,今回のギリシャのお話として収録されている「けしの花」では,「わたしもあなたもその場にはいなかった(だから信じなくてもいい)」という形になっていて,おお,斬新(昔話なのに)と思いました.こうまではっきり信じなくてもいいと言ってくれる話はなかったな〜.

あと聖人の出て来るお話では,聖ペテロっていつもなんとなく三枚目な役割をあてられている気がしますね.今回のではハンガリーの「なぜ百姓は働かなければならないか」では,五時から七時までの労働時間を,逆に伝えてしまったから七時から五時まで働くことになったと,労働時間の長さが聖ペテロのせいになってしまっていました(笑).ちょっとビジュアルを聖☆おにいさんでイメージしてしまって笑える.
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