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ここはゴミ箱です
本日の読書

ルーシー・エア著,栗木さつき訳:戸棚の奥のソクラテス,2008.7.30,東京,集英社,

哲学について学ぶというか,中高生の哲学入門的な本といえば有名なのがヨースタイン・ゴルテルの「ソフィーの世界」です.ちなみに私が読んだのは多分……高校生か大学生の頃です.

ヨースタイン・ゴルテル著:ソフィーの世界 : 哲学者からの不思議な手紙,1997.10,東京,日本放送出版協会

の上下巻を読んだんだと思います.ゴルテルの著作は他にも色々と読んでいますが,それはまた別の機会に.
「ソフィーの世界」とよく似た形式のお話で,やはり哲学を題材にしたお話

ヴィットリオ・ヘスレ,ノーラ・K著:哲学者のカフェ:世界を生きるための子どもと大人の往復書簡,1999.6,東京,河出書房新社

があります.実は今回の「戸棚の奥のソクラテス」が,新刊案内等で「ソフィーの世界」と同じ系統の本だという風に紹介されていて(というか私にはそう読めたわけですが),それで手に取ったわけなんです.私は「ソフィーの世界」の世界観というかゴルテルの世界観が好きで,でも同じ系統の話として読み易さで言えば「哲学者のカフェ」の方が好きなんですよね.
んで,今回の「戸棚の奥のソクラテス」なんですが,哲学についての本といえばそうです.でも「ソフィーの世界」や「哲学者のカフェ」と同じ系統かというと違っていて,ソフィーや哲学者が『哲学史を巡りながらそれぞれの思想の特徴を学ぶ』ような感じであるのに対し,戸棚の奥は『実際の命題を考える主人公を通して自分も思考してみる』系統のお話なんですね.
だから昔の誰それさんの考え方はこういう考え方で……っていうある意味授業めいたものではなくて,こういう問題が昔から考えられているけど,今を生きている君はこういう風に考えたことってある? っていう問いかけに近い.哲学史を学ぶ学校の授業というよりは,実際にお前哲学者になってみようよこのゼミで,って感じでしょうか(分かりにくいですね,スミマセン).
この三冊を比べるなら

アドベンチャー度 哲学者のカフェ<戸棚の奥のソクラテス<ソフィーの世界
物語性 戸棚の奥のソクラテス<哲学者のカフェ<ソフィーの世界
個人的読み易さ 戸棚の奥のソクラテス<ソフィーの世界<哲学者のカフェ

という感じ.ちなみに,物語性を比べましたが,「哲学者のカフェ」は現実にあったやり取りを本にしているお話ですから創作的な面では最下位なのかも.でも入門書としては三冊の中でも一番適していたように思います(ページ数も少ないし).
「戸棚の奥のソクラテス」は「哲学やりてぇ!」って思っている人にはススメますが,「哲学って何?」の人にはススメられない.それこそ,案内役の美女(美男)でも現れない限りは.あ~,ヴィトゲンシュタイン好きにもススメないかも(笑)
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本日の読書

坂田千鶴子:月母神キサカヒヒメと射日神話―消されたオオナムチの系譜.国文学:解釈と教材の研究,52(3),2007.3.10,pp.65-76

最近受けた参考質問で検索をかけたところ,この論文がヒットしたので個人的に読んでみた次第であります.問い合わせは招日神話の方だったのですが,射日神話と招日神話はワンセットで,ということをこの間紹介した

萩原秀三郎:稲と鳥と太陽の道.1996.7.1.東京.大修館書店

で言っておられたので,こっちの検索キーでもいいよなぁと考えてちょろちょろ検索かけたのです.個人的に興味のある題材だったし,ちょうどスグに読める環境にありましたので,11ページくらいなら休み時間使えば読めるなぁと.

短い中にも色々興味をそそる内容でしたね.アマテラス・ツクヨミ・スサノオの関係構図については何冊か本を読んでいますが,切り口によって色々な解釈の仕方がありますし,視点が違うというだけでどれも間違いとは言いがたい,のか? という印象です.
今回は縄文人の神を月神だと想定すると,弥生人の(大和朝廷の?)神はその神を打ち破る日神でなくてはならない.けれど征服する側としては,反発をなるべく抑えたくて,古い神を排除するよりはそれを取り入れた方がいいというのはどの国でも行ってきたことです.
だから大和朝廷も月女神アマテラスを日神アマテラスへシフトさせ,空いた月神にツクヨミを当てた.するとツクヨミの存在が記紀神話で薄いのも当然だし,日神が女神なのも,元々の月神が女神だったのだから頷けることだ.そういう見方のようです.実際縄文土器に月神としての女神が描かれたものがあるようですし.(ここら辺は胸のあたりで女神であることは分かりましたが,どうして月神と判断するのか,写真だけではわかりませんでした.あれ,ちゃんと理由も書いてあったっけ? 流し読みしていることが丸分かりですね!).でもこれで一応三貴神のうち,ツクヨミの影だけが薄い理由も説明できているようないないような? 
射日神話に関連したところでは,太陽を射る弓を月(三日月)として,『月 対 太陽』と見るようです.十個の太陽を射るゲイは月神だというんですね.実際ゲイと月は関連がありますから.妻の嫦娥(ジョウガ)が月に昇っていますからね.(彼女は元が月神だったのでしょうか? それともこのエピソードがあるゆえに月神なんでしょうか.神といっても蛙になってしまったわけですが)
ところでキサカヒヒメが誰かというと,オオナムチ(大国主命)が兄さんたちに意地悪されて,焼け死んだ時に赤貝と蛤の姉妹女神が助けてくれるというエピソードがありましたね.その赤貝さんの方です.このオオナムチが死んで生き返るというエピソードも月の満ち欠けを象徴して,オオナムチ=月神だというんですね.だから国譲りは太陽が月を制する話.
あれ? 射日の神事は「太陽を(一旦)殺して新しい太陽を蘇らせる」太陽信仰として残っているんですよね.でもこの話でいくと「月(弓)で太陽を射殺す」ことになるわけで.「弓で太陽を殺して月を蘇らせる」ことを願う月信仰の神事なのかな? あ,いかん.混乱してきた.飛ばし読みしたものを深く考えるってやっぱり無理がある.
ところで読んでいて思わず「ニヤリ」としてしまったのが,出雲大社の社殿の向きの話.高田崇史氏のQEDシリーズで社殿の向きに言及していたのは諏訪とか熊野だったように思いますが(手元にはないので確認もおぼつかない……そのうちシリーズ大人買いしたい),この論文によると出雲大社が西向きなのは太陽が沈む(太陽を殺す?)方角だからとか.あぁ,そういう考え方もあるかぁ,と.

趣味全開の話題でスミマセン.引用とかしておきながらそんな真面目に読み込んでいるわけではないので,勘違い等あるかと思います.興味ある方は原文を読んでくださいね!(読書日記全般に言えることですが)

本日の読書

萩原秀三郎:稲と鳥と太陽の道.1996.7.1.東京.大修館書店.p.32より

のっけから上の本と関係ない話題でスミマセン.古本屋で「ハチミツと○ローバー」を立ち読みして(今更かよという突っ込みはなしでお願いします),キュン死にするかと思いました.色々なところで泣きそうにもなりました.うん,分かってる.平日で人は少ないとはいえ,ここはお店の中だから.だから……泣かない! いいなぁ,青春.ほらオイラも腐ってるけど乙女だから.(あ,ここは薄く笑ってスルーするところですよぉ)

さてちゃんと本来の読書日記らしきことも書きます.前回の話題を引きずって射日神話関連のお話.この本の場合は日本の稲作文化やそれに関わりの深い太陽信仰の精神は,そのルーツを辿ると中国のミャオ族あたりからきたのではないか,ということでした.射日神話のお話も入っていますが,全体的には稲作文化についての話で,それには鳥が重要な役割を果たすシャーマン的な存在だったと.多分,そんな話.
鳥には先駆けというか,道案内的な役割とか,運び屋としての役割とかがあるようです.柱には世界樹の観念が入り込んでいるみたい.マレビト信仰なんかについても解説してくれるので,かなり盛りだくさんな内容の本かと思います.すべて理解するには何回か読まないと厳しい.

先日ご紹介した萩原法子さんの本でも紹介されていましたが,十個ある太陽が順繰りに地下にある湯谷で湯浴みしてまた地上に昇ってくるっていう神話は何か微笑ましいですよね.温泉浸かって,疲れをとってから昇ってくるんだぁ……って.ほんわかしちゃう.まぁ,そのうち一気に全部が昇って熱いし乾いちゃうってことで射落とされちゃうわけですけど.

日本では射日のお祭りって,利根川周辺に多いそうで,案外近くでやっているところがあるんだなぁと.一度見に行ってみたい気もします.
本日の読書

君島久子文, 小野かおる絵:巨人グミヤーと太陽と月, 2000.1.28,東京,岩波書店,

本日初めて読み聞かせなるものをやらせていただきました.小学校6年生です.教室入る前から緊張で心臓バクバクいっていましたから,読んでいる最中もかなりテンパっていたかと…….ごめんよ,クラスのみんな,こんな読み手でほんとスミマセン.
そこで読んだのが上記の本.本を選ぶ段階で,私は二通りの道を考えました.

1.スタンダードにベストセラーを選ぶ
2.ひねくれ者上等! であまり読まれていないような自分の趣味の本を選ぶ

最初くらい1でいけよ,と思いますか? 俺は思います.じゃあ何で2を選んだんだよ,ってひねくれ者だから…….いや,本当は中秋の名月の後だなぁと思って月の話にしようと思ったんですけど,それだけ明確な行事ものだとすでに別の方が読んでいる可能性があるなぁ,と考えてなるべく被らないように配慮した……つもりです.

グミヤーの神話を選んだのは完全に自分の趣味でして,一年くらい前に射日神話(しゃじつしんわ)についての本を読んだことがあって,それが

萩原法子:熊野の太陽信仰と三本足の烏, 1999.9,東京,戎光祥出版

だったわけです.中国ではむかし太陽がいくつもあって,それが一気に地上に現れると地上が熱くなってしまうので,弓の名手が多すぎる太陽を射落とすという話がけっこうあるようです.グミヤーはプーラン族の神話ですが,別の民族ではゲイ(漢字が出ないのですが羽を上に書いて下に廾というのをつける)という神が地上に降りて太陽を射落とすそうです.最初はこのゲイの話が絵本になってないかなぁと探したのですが見つかりませんでした.その代わり

君島久子,中国の神話;天地を分けた巨人,1983.2.25,東京,筑摩書房

に「ゲイ、太陽を射る」というお話が載っていました.グミヤーは太陽も月も射落としますが,ゲイが射るのは太陽だけです.ちなみにゲイと一緒に地上へ降りた奥さんの嫦娥(ジョウガ)についての後日談のような話もありました.同じ本で「月へのぼった女神」として紹介されています.これは各国に存在する”月の影を何に見立てるか”というお話の中国版みたいですね.

このテーマに関してはまだまだ紹介できる本がありそうですが,とりあえず”熊野”とか”三本足の烏”とか”射日神話”とか”天岩戸”とかのキーワードに興味ある人は合わせて読んでみると楽しい……かも.三冊とも読みやすいので.

で,こんな最後の方にちろっとスミマセン.あの……サイトの方が地味に30000Hit超えたようで.ありがとうございます.もしキリ番とかリクエストありましたらお願いします.次は33333Hitです.これからもよろしくお願いします.
本日の読書

ハンス・クリスチャン・アンデルセン著, 木村由利子訳, 朝比奈かおる絵:雪の女王.2005.4.東京.偕成社.

まぁ,趣味は読書(はあと)という人間が,いわゆる「名作」というものを全て読んだことがあるとは限らないわけでして.グリム童話は読んでいても,アンデルセン童話は読んでいないとか,アンデルセンの童話集は読んでいても「雪の女王」は読んだことがないとか.ありえるわけですよ.
多分趣味は読書(キラーン)という人でも,やはり何もかもオールマイティかつ広範囲に読む本を選ぶ人は少数で,皆自分の好きなジャンルおよびその周辺を読むものではないでしょうか.私のように今現在のベストセラーには手があまり伸びない人間もいれば,海外ものには手が伸びても,国内は駄目だ,という人もいるでしょう.
何が言いたいかって,ようはまだ読んでいない「名作」に対する言い訳でしょうか.別に読む読まないは人の好き好きですけどね? 何となく言い訳,したくなりませんか? 趣味「読書」って,言わない人達からすると,言っている人はよほど小難しい本を読んでいるんだろうなぁと思うものなのでしょうか.一度聞いてみたいものです.

上記の話は殆ど独り言としてうっちゃっておいて,「雪の女王」ですが,ストーリーは他の本などで知っていたのですが,本として読んだのは初めてです.絵が綺麗だったのでようやく手にしました.
んで,勝手な印象として雪の女王はよっぽど何か酷い奴で,カイをあの手この手で陥落させようとする女なんだろうと思っていたのですが,……なんか,あんまり酷いことしていない? そりゃ,誘拐は良くないですけど.カイを巡ってゲルダと対決! という場面もなく.……あれ?
多分ナルニアのあの人と被った印象だったんですね.脳内ではもう映画のおっそろしく勇ましい魔女さまのビジュアルで考えていましたから.それにしても,ゲルダはそんな成長するほど長い旅をしていたんだな.戻ってきたカイにもちょっと旅をさせといた方がいいのでは? 逞しくなるかも……よ?
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