ここはゴミ箱です
本日の一冊
E・L・カニグズバーグ著,松永ふみ子訳:クローディアの秘密,1997.4.4.第36刷,岩波書店,東京
みんなの歌のメトロポリタンミュージアム大好きだったのに,元となったというこの話は全く読んだことがありませんでした.追い打ちかけるように”図書館員として読んでいなければおかしい”と指摘され,それなら読んだるわ! と闘志を燃やして読みました.
歌の方はちょっとしたホラーでしたが,本の方は健全な(?)家出物語というか成長記というか.クローディアが弟のジェイミー(会計担当)と,それぞれバイオリンのケースとトランペットのケースに衣類を詰めて,メトロポリタン美術館に忍び込むという内容のもの.ひねくれた大人(?)になった今読むと,いくらトイレの蓋の上に乗ったって,夜中はセコムに引っかかるよ今は,と思ってしまうのが悲しいところ.しかし,本を読んで納得したのはバイオリンのケースとトランペットのケースについて.歌だと一人の子が両方持っているように聞こえるけれど,弟も連れてきていたのなら納得.
やがて美術館に収蔵された天使の像を巡って,クローディアはどうしても天使の秘密が知りたくなる.家出をしてみても自分は変わらなかったけれど,秘密を持てば変われる,だから天使の像の秘密を持って帰らなくてはいけない.非日常を経験しても自分は日常のままで,それなら非日常を内側に抱え込んでしまえば,それによって好きな時に非日常に入り込める.誰も知らないことを自分だけが知っている優越感というか.成長記と書いたけれど……本当に彼女は成長したんだろうか? 美術館に家出するというのは素敵な設定だが,クローディアには入り込みづらいなと思った本でした.
でもほんと,ルーブルとかメトロポリタン美術館で一週間も暮らせたら幸せだろうなぁ.どっかの修道院の図書室とかでもいいなぁ.一人暮らしの家出って,家出になるのかわからんですけども..
E・L・カニグズバーグ著,松永ふみ子訳:クローディアの秘密,1997.4.4.第36刷,岩波書店,東京
みんなの歌のメトロポリタンミュージアム大好きだったのに,元となったというこの話は全く読んだことがありませんでした.追い打ちかけるように”図書館員として読んでいなければおかしい”と指摘され,それなら読んだるわ! と闘志を燃やして読みました.
歌の方はちょっとしたホラーでしたが,本の方は健全な(?)家出物語というか成長記というか.クローディアが弟のジェイミー(会計担当)と,それぞれバイオリンのケースとトランペットのケースに衣類を詰めて,メトロポリタン美術館に忍び込むという内容のもの.ひねくれた大人(?)になった今読むと,いくらトイレの蓋の上に乗ったって,夜中はセコムに引っかかるよ今は,と思ってしまうのが悲しいところ.しかし,本を読んで納得したのはバイオリンのケースとトランペットのケースについて.歌だと一人の子が両方持っているように聞こえるけれど,弟も連れてきていたのなら納得.
やがて美術館に収蔵された天使の像を巡って,クローディアはどうしても天使の秘密が知りたくなる.家出をしてみても自分は変わらなかったけれど,秘密を持てば変われる,だから天使の像の秘密を持って帰らなくてはいけない.非日常を経験しても自分は日常のままで,それなら非日常を内側に抱え込んでしまえば,それによって好きな時に非日常に入り込める.誰も知らないことを自分だけが知っている優越感というか.成長記と書いたけれど……本当に彼女は成長したんだろうか? 美術館に家出するというのは素敵な設定だが,クローディアには入り込みづらいなと思った本でした.
でもほんと,ルーブルとかメトロポリタン美術館で一週間も暮らせたら幸せだろうなぁ.どっかの修道院の図書室とかでもいいなぁ.一人暮らしの家出って,家出になるのかわからんですけども..
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本日の一冊
森谷明子:れんげ野原のまんなかで,2005.2.28,創元社,東京
そう,2009年に買ってまだ初版が届くのか……一体何冊刷ったのかな.と奥付を見て思いましたが,余計なお世話ですね.名前を忘れてしまいましたが,何かの出版系ニュースのチラシで掲載されていた本です.そう言えばそれを読んだのもつい最近のことで,書いた人も「2005年出版の本を今頃読んだ」という風に書いておられました.書店でよほど地味な扱いだったのでしょうか.それを読んでから私も購入を検討したため,店頭では見つからずに注文かけました.
日常系ミステリとしては成風堂書店シリーズの方がいいかなぁという印象.請求記号とか使ってみたりしているので図書館関係者でミステリ好きならちょっと嬉しくなっちゃう感じですが.でもまぁ,図書館を舞台にして,図書館員を気持ちのいい印象の人で書いてくれて.それだけで万々歳のような気がします.眼鏡の暗い女性がカウンターに座っているような描写じゃなくて安心しました.ちょっとイメージが古すぎるか…….
立派な建物,動かない蔵書,意図された誤配架,作られた請求記号,れんげ畑でちょっとイメージアップ.こんなキーワードに興味がある人は読んでみましょう.
ちなみにこの本の中で,図書館員なら必ず読んでいるはず——読んでいなければモグリだ——くらいに言われていた本を読んでいなかった私.かなりムッとしたので早速所蔵を調べて貸出を受けました.いま読んでいる途中です.
森谷明子:れんげ野原のまんなかで,2005.2.28,創元社,東京
そう,2009年に買ってまだ初版が届くのか……一体何冊刷ったのかな.と奥付を見て思いましたが,余計なお世話ですね.名前を忘れてしまいましたが,何かの出版系ニュースのチラシで掲載されていた本です.そう言えばそれを読んだのもつい最近のことで,書いた人も「2005年出版の本を今頃読んだ」という風に書いておられました.書店でよほど地味な扱いだったのでしょうか.それを読んでから私も購入を検討したため,店頭では見つからずに注文かけました.
日常系ミステリとしては成風堂書店シリーズの方がいいかなぁという印象.請求記号とか使ってみたりしているので図書館関係者でミステリ好きならちょっと嬉しくなっちゃう感じですが.でもまぁ,図書館を舞台にして,図書館員を気持ちのいい印象の人で書いてくれて.それだけで万々歳のような気がします.眼鏡の暗い女性がカウンターに座っているような描写じゃなくて安心しました.ちょっとイメージが古すぎるか…….
立派な建物,動かない蔵書,意図された誤配架,作られた請求記号,れんげ畑でちょっとイメージアップ.こんなキーワードに興味がある人は読んでみましょう.
ちなみにこの本の中で,図書館員なら必ず読んでいるはず——読んでいなければモグリだ——くらいに言われていた本を読んでいなかった私.かなりムッとしたので早速所蔵を調べて貸出を受けました.いま読んでいる途中です.
本日の一冊
リンダ・キルト著,ミヒャエル・ゾーヴァ絵,二宮千寿子訳:怖るべき天才児,2006.11.5,三修社,東京
「幼な子の口から」,「回想録」,「ふつうすぎたノーム」,「狡猾な赤ん坊」,「蒸発」,「眠り姫」,「存在の限りない軽さ」の短編7編.奇妙でちょっと恐ろしいお話をそろえて,それに相応しいゾーヴァの絵を添えた本.カエル嫌いの人には耐えられないだろうな,という設定が「幼な子の口から」ですが,想像したらカエル好きだって口の中からは出したくないに違いない.
ちなみに個人的に一番怖かったのは,表紙で目をまんまるにしてこちらを見ている双子の絵.ほんとにまんまるで,目が飛び出しそうだし同じ顔がふたつ並んでるし.夢に出そうでした.
決して読んですっきりするという本ではなく,奇妙な設定に関心はするけれど読んだその後味の悪さと言ったらない.そう言う意味では印象的な本ですね.身の毛もよだつっていうホラーじゃあないんだけど.なんて言うのかな.不気味? 「狡猾な赤ん坊」で母親が娘のAに抱いた感情に似ているのかな.自分とは違うものに対する畏怖というよりも嫌悪感,みたいな.
リンダ・キルト著,ミヒャエル・ゾーヴァ絵,二宮千寿子訳:怖るべき天才児,2006.11.5,三修社,東京
「幼な子の口から」,「回想録」,「ふつうすぎたノーム」,「狡猾な赤ん坊」,「蒸発」,「眠り姫」,「存在の限りない軽さ」の短編7編.奇妙でちょっと恐ろしいお話をそろえて,それに相応しいゾーヴァの絵を添えた本.カエル嫌いの人には耐えられないだろうな,という設定が「幼な子の口から」ですが,想像したらカエル好きだって口の中からは出したくないに違いない.
ちなみに個人的に一番怖かったのは,表紙で目をまんまるにしてこちらを見ている双子の絵.ほんとにまんまるで,目が飛び出しそうだし同じ顔がふたつ並んでるし.夢に出そうでした.
決して読んですっきりするという本ではなく,奇妙な設定に関心はするけれど読んだその後味の悪さと言ったらない.そう言う意味では印象的な本ですね.身の毛もよだつっていうホラーじゃあないんだけど.なんて言うのかな.不気味? 「狡猾な赤ん坊」で母親が娘のAに抱いた感情に似ているのかな.自分とは違うものに対する畏怖というよりも嫌悪感,みたいな.
本日の一冊
近藤史恵:サクリファイス,2007.8.30,新潮社,東京
題名について最後まで勘違いしておりました.読み終わった瞬間に「あぁ、これがSacrificeなのか」と,思わず溜息.なんていうか……本当に溜息の出る話の展開でしたよ.自転車ロードレースって,日本だとテレビとかでも注目されないですけどね.読んで損はないな.書店平積みの扱いが結構続いていたように思いますが,納得の一冊.しかし,山登りと聞いて箱根の山を思い出すあたり,まだ
三浦しをん:風が強く吹いている,2007.4.20.14刷,新潮社,東京
を引きずっておるようです.
ちなみになんかの書評だったか,確かこの話はレース中に死人がでると書いていたものを読んでいて,話の中盤過ぎても死人が出てこない(あっ,これってネタバレ?)ので勝手に不安になってみたり.最初は定番ミステリだと思っていたので余計に.つまり探偵役が主人公か伊庭なのだろうと思っていたのです.それが途中で「違う、きっとそろそろ伊庭が死ぬんだ」と思っていたあたり,これって著者に騙されていたと思っていいのでしょうか.単なる勘違い?
近藤史恵:サクリファイス,2007.8.30,新潮社,東京
題名について最後まで勘違いしておりました.読み終わった瞬間に「あぁ、これがSacrificeなのか」と,思わず溜息.なんていうか……本当に溜息の出る話の展開でしたよ.自転車ロードレースって,日本だとテレビとかでも注目されないですけどね.読んで損はないな.書店平積みの扱いが結構続いていたように思いますが,納得の一冊.しかし,山登りと聞いて箱根の山を思い出すあたり,まだ
三浦しをん:風が強く吹いている,2007.4.20.14刷,新潮社,東京
を引きずっておるようです.
ちなみになんかの書評だったか,確かこの話はレース中に死人がでると書いていたものを読んでいて,話の中盤過ぎても死人が出てこない(あっ,これってネタバレ?)ので勝手に不安になってみたり.最初は定番ミステリだと思っていたので余計に.つまり探偵役が主人公か伊庭なのだろうと思っていたのです.それが途中で「違う、きっとそろそろ伊庭が死ぬんだ」と思っていたあたり,これって著者に騙されていたと思っていいのでしょうか.単なる勘違い?
本日の一冊
黒澤節男:Q&Aで学ぶ図書館の著作権.第二版,2008.5.28,太田出版,東京
昨日の言い訳ではありませんが,ゲームの合間にちゃんと勉強らしきものも……して,います(目が泳ぐ)というアピール.大学生の時を振り返ってみると,あれでちゃんと勉強していたとは到底思えないので,学生さんにも”本読んで勉強しろ!”なんて強く言えない…….結局社会に出てから大学時代の不勉強具合を嘆くはめになるから,今やったって後悔は少ないよ,くらいは言えるかも.言うような機会,あんまないですけど,ね.
この本は実際に仕事していて引っかかる著作権のあれこれをQ&A方式で解説してくれるので,実際に働いている人,そして勉強中の学生さんにも,「こういう問題が持ち込まれるのね」と想像できるのでおすすめです.付箋ぺたぺた貼って,気になる箇所をチェックできるようにしておきました.地図の複写に関してはちょっと補足なども自分で加えて.
昨今の雇用が厳しい状況はどの職種にも関係していますが,こういう著作権のノウハウを職業的にきちんと理解して守っていくのに,例えば職員全体でどういう風に理解して共通認識を持っているものなのでしょうか.倫理網領とかもそうなんですけど…….理念は素晴らしいけれど,それを体にしみ込ませ,誇りを持たせるには,状況的にもキビシイものがあるのではないでしょうか.なんて,愚痴ってみたり.努力が足りんと言われればその通りですが(モゴモゴ).なんてことをつらつらと考えつつ読んでおりました.
黒澤節男:Q&Aで学ぶ図書館の著作権.第二版,2008.5.28,太田出版,東京
昨日の言い訳ではありませんが,ゲームの合間にちゃんと勉強らしきものも……して,います(目が泳ぐ)というアピール.大学生の時を振り返ってみると,あれでちゃんと勉強していたとは到底思えないので,学生さんにも”本読んで勉強しろ!”なんて強く言えない…….結局社会に出てから大学時代の不勉強具合を嘆くはめになるから,今やったって後悔は少ないよ,くらいは言えるかも.言うような機会,あんまないですけど,ね.
この本は実際に仕事していて引っかかる著作権のあれこれをQ&A方式で解説してくれるので,実際に働いている人,そして勉強中の学生さんにも,「こういう問題が持ち込まれるのね」と想像できるのでおすすめです.付箋ぺたぺた貼って,気になる箇所をチェックできるようにしておきました.地図の複写に関してはちょっと補足なども自分で加えて.
昨今の雇用が厳しい状況はどの職種にも関係していますが,こういう著作権のノウハウを職業的にきちんと理解して守っていくのに,例えば職員全体でどういう風に理解して共通認識を持っているものなのでしょうか.倫理網領とかもそうなんですけど…….理念は素晴らしいけれど,それを体にしみ込ませ,誇りを持たせるには,状況的にもキビシイものがあるのではないでしょうか.なんて,愚痴ってみたり.努力が足りんと言われればその通りですが(モゴモゴ).なんてことをつらつらと考えつつ読んでおりました.